教育訓練給付金、使えるか確認して

社会保障制度

社会人でしたら仕事のスキルアップのために資格取得をする人も多いでしょう。勉強の仕方は参考書を買って独学、ユーキャンなどの通信講座、TACや大原などの通信も通学も選べるスクールなど様々です。しかしいずれにしても課題があります。それはお金がかかることです。学生のうちは学校で先生に聞けばいくらでも教えてくれますが、社会人になって学ぶということは金銭と引き換えに知識を得るということです。しかし一部の資格取得には教育訓練給付金の対象になっているものもあります。これは使わないともったいないですね。今回は教育訓練給付金について解説します。

まず教育訓練給付金は雇用保険における制度です。
雇用保険の被保険者、または被保険者で無くなった日から1年以内の者が使うことが出来ます。
雇用保険というと世間一般的には失業時における失業手当(求職者給付)を思い浮かべます。そのため離職して初めて使えると思われていますが、教育訓練給付金は在職中に使えます。※離職後1年以内も可

そして会社は従業員が以下の条件を満たす時は、雇用保険に加入させなくてはなりません。(強制加入)

・1週間の労働時間が20時間以上
・雇用の見込み期間が31日以上

基本的に会社員であれば雇用保険に必ず入っています。つまり会社員であれば必ず教育訓練給付金も使えることになります。

それでは教育訓練給付金についての具体的な説明に入ります。まず教育訓練給付金とは、厚生労働省が能力開発やスキルアップを支援するための制度です。厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、修了した場合にかかった費用の一部が支給されます。教育訓練給付金は大きく3つに分かれています。

・一般教育訓練給付金

被保険者であった期間(支給要件期間)が3年以上の被保険者、または離職後1年以内の者が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講、修了した場合に支給されます。
※なお初回の支給に限り、支給要件期間は1年以上で大丈夫です
支給金額は教育訓練に要した費用の20%であり、上限は10万円となります。
※ただし4000円以下の場合は支給されません。
対象となる資格には民間資格、公的資格から国家資格まで様々です。

・専門実践教育訓練給付金
中長期的なキャリアを形成するための支援制度であり、より専門的・実践的な教育訓練が対象となります。
被保険者であった期間(支給要件期間)が3年以上の被保険者、または離職後1年以内の者が厚生労働大臣の指定する専門実践教育訓練を受講、修了した場合に支給されます。
※なお初回の支給に限り、支給要件期間は2年以上で大丈夫です
支給金額は教育訓練に要した費用の50%であり、上限は年間で40万円となります。また3年間支給可能なので、最大120万円の支給となります。
※ただし4000円以下の場合は支給されません。

一般教育訓練給付金は教育訓練が修了してから支給申請を行いますが、専門実践教育訓練給付金は教育訓練期間中に6ヶ月ごとに支給申請を行います。つまり教育訓練期間中から支給を受けられるわけです。

また専門実践教育訓練の修了後1年以内に資格を取得するなどし、雇用保険の被保険者となる就職をした場合は、支給金額が教育訓練に要した費用の70%(年間上限56万円)に変更されます。3年間支給可能なので、最大168万円です。
この場合、既に支給された専門実践教育訓練給付金との差額分が後から支給されます。 
※法令上最短4年の教育訓練(専門職大学など)を受講した場合は、4年目受講分としてさらに上限56万円が加わります。(つまり168+56=224万円が上限となる

一般教育訓練給付金と異なり、受講開始1ヶ月前までに訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、ジョブ・カード(目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載したカード)を作成することが必要です。ジョブ・カードと「教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票」を訓練受講開始日1ヶ月前までにハローワークへ提出し、受給資格確認手続を行います。

・特定一般教育訓練給付金
厚生労働大臣の指定する速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練(特定一般教育訓練)を受講し、修了した場合に支給されます。基本的な支給要件は一般教育訓練給付金と一緒ですが、対象となる資格や講座が再就職しやすい高度なものに限定されています。
また専門実践教育訓練給付金と同様に受講開始1ヶ月前までに訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、ジョブ・カード作成することが必要です。

支給金額は教育訓練に要した費用の40%であり、上限は20万円となります。
※ただし4000円以下の場合は支給されません。


以上を表にまとめると以下のようになります。

いずれの教育訓練給付金も2回目以降も受けるには、前回の受講開始日から3年以上経過している必要があります。(これを満たしていれば何回でも受給可能です)
なお一般教育訓練給付金、専門実践教育訓練給付金、特定一般教育訓練給付金の対象となる講座はこちらで検索できます。
⇒ 教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム

キャリアアップのために勉強は必須であり、その過程で資格取得をすることもあるでしょう。最近はオンライン授業のおかげで場所や時間を選ばすどこでも学習できます。そのため資格スクールの活用はコスパが非常にいいです(独学より圧倒的に早く理解できます)。もし資格スクールを利用するなら教育訓練給付金の対象となるか必ず確認しましょう。教育訓練給付金支給申請書や教育訓練修了証明書は資格スクールに言えば用意してくれます。書類をそろえる手間とハローワークに行く手間がありますが、かなりの金額が補助されます。こういった制度はキチンと活用しましょう。

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