個人賠償責任保険には入って欲しい

保険

社会人になると必ずと言っていいほど勧められるのが保険です。特に新入社員に対しては社員研修の一環で保険屋が会社に入ってきて生命保険や医療保険を勧めたりします。金融リテラシーの高い人ならこれらの保険はほぼ不要と言うのは分かると思います。その辺の記事は後々書いていきたいと思います。しかし本当に「もしもの時のため」に必要なのは個人賠償責任保険だと思います。今回は個人賠償責任保険について理解し、必要性に納得した方は加入を検討してほしく思います。

個人賠償責任保険は個人の日常生活生じた法律上の損害賠償責任を補償したり、そのための弁護士費用を補償するための保険です。主な補償対象は以下のようなものが挙げられます。

・自転車による事故
自転車事故での障害の話は有名ですね。運転免許の更新の講習でも必ず紹介されます。15歳の少年が67歳の女性を自転車で撥ね、寝たきりになった事故で、神戸地裁が母親に9500万円の支払いを命じています。後遺障害を生じたケースでは死亡より損害賠償が高くなることが多いです。

・誤って他人に負わせてしまった怪我
子供同士が遊んでいる際に時に誤って大きな怪我を起こすケースがあります。ケンカなど故意に怪我をさせた場合は補償されません。

・ペットが他人に負わせた怪我
民法718条1項に「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。」とあります。ペットが人に与えた損害は飼い主が負わなくてはなりません。実際に飼い犬が人に嚙みついて怪我をさせた事例は多くあります。
※ただし「相当の注意をもってその管理をしたとき」は責任を免れるケースがあります。
また民法718条2項に「占有者に代わって動物を管理する者も、前項の責任を負う。」とあります。人から預かったペットが他人に怪我をさせてしまった場合でも責任を問われることになります。

・ベランダの植木鉢の落下で通行人が重傷を負った
死亡や後遺障害になるケースもあるので高額な補償が必要になります。植木鉢以外にも布団なんかは注意が必要ですね。

スポーツで他人に負わせた怪我
ゴルフで打ったボールがキャディさんの左眼に当たり、失明してしまった事例があります。この事例では名古屋地裁が1046万円の支払いを命じています。(キャディさんにも5割の過失を認めており、過失相殺の結果の金額です)

・近隣の家への損害
マンションに住んでいる人は特に注意が必要ですね。うっかり水漏れを発生させると下の階に浸水して家財をダメにしたり、あるいは失火をして消し止めても上の階に煙がいってしまい、上の階の部屋をススだらけにしてしまうことがあります。
失火責任法があるため、軽過失による失火により他人の家を焼失させても損害賠償責任は免除されます。しかし「失火」における責任なので、水漏れや爆発による場合は適用されません。

ざっと見てもこれだけのケースがあります。どれも気を付けていても起こりうる事例です。そして問題なのはいくら蓄財や投資が順調でも、一発で資産が吹き飛んでしまう、最悪の場合は人生が詰んでしまうことさえあるということです。そのような事態に備えて保険は非常に強い味方になります。
自動車を運転する人は普通は任意保険に入りますよね?でも運転以外ではあまり気にしない人が多いですが、日常生活でも同じくらいのリスクはあるということです。

さて個人賠償責任保険の有効性が分かったところで、個人賠償責任保険について確認しておきたいと思います。

個人賠償責任保険は本人だけでなく家族も補償の対象となります。家族の範囲は事故発生時点における配偶者、子、その他生計を一にする同居親族です。また子においては生計を一にしている未婚の子であれば、別居していても補償の対象となります。(下宿中の大学生など)
また保険期間中に子供が生まれた場合も、生計を一にするなら自動的に補償対象となります。
本人がいくら気を付けていても、子供が遊んでいる時に友達に怪我をさせてしまったり、自転車やスポーツで大きな事故を起こしてしまうケースもあるので、特に家族を持っている人なら必須と言えます。

個人賠償責任保険は単体でも加入できますが、火災保険や自動車保険に特約として付帯するのが一般的です。

だいたい保険金額は1億円程度のものが一般的ですが、無制限のものを選ぶこともできます。保険料は月額で100~200円程度になります。生命保険や医療保険などの比べて格段に安いのも特徴です。
※私の場合は国外における保険事故も補償されていますが、国内だけのものの方が多いです。その場合保険料はもっと安くなります

私の場合は自動車保険に特約として付けていますが、火災保険にも特約として付けられます。そして意外に気付いていない人も多いのですが、一人暮らしをしている人が賃貸契約を結ぶ際に加入させられた火災保険に、すでに特約として付帯されていることがあります。こればかりは人によって違うので一度火災保険の内容を確認しておいてほしいと思います。もちろん途中から加入することも可能です。
持ち家の人も火災保険に入っていると思いますが、これにも個人賠償責任保険の特約を付けるのも可能です。

今後の記事で書いていこうと思いますが、日本は公的保険制度が充実してるので基本的に民間医療保険は不要ですし、生命保険も一部の人にしか必要ないです。しかし日常生活を送る中で思いもかけない法律事故に巻き込まれることもあります。人生を有意義なものにするためには蓄財や投資でお金の不安を取り除くだけでなく、思いもかけない不幸から身を守る必要もあります。個人賠償責任保険に未加入の人は是非一度検討して下さい。

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